第一話
第二話
第三話
第二話

 ところで、ブレーメンまでは、なかなか一日では行けません。そのうち日がくれたので、森の中へはいって、そこでひとばんあかすことにしました。
  まず、ろばと犬とは、一本の木の下にごろりと横になりました。ねことおんどりとは、木の枝の上にやすみました。ところで、おんどりはわざわざこずえの先まで行ってとまりましたが、これが、いちばんの安全な場所であったのです。さてねようとするまえ、このおんどりはもういちど、東西南北、風のふく方角がどこかとながめまわしたとき、ふと、むこうに、ちらちら火らしいものがみえたので、なかまに声をかけて、どうしても、そうとおくないところに家があって、あかりがついているらしいといってしらせました。
  ろばが、そこで、
「じゃあおれたち、ここをひきはらって、もっと先まで行ってみようや。どうもこの宿は上等(じょうとう)とはいかないから。」と、いいますと、犬もそこへ行ったら、骨の一、二本、ことによると肉の香(かおり)ぐらいかげようかとおもって、さっそくさんせいしました。
  こういうしだいで、四人組は、そのあかりのさしている方角(ほうがく)にむかって、出かけました。するうち、あかりはずんずんはっきりしてきて、ぱあっとてりだしたとおもうと、そこはどろぼうの家で、中にはこうこうと灯(ひ)がともっていました。
  ろばは、なかまでいちばんのせいたかのっぽなので、窓のところまで行って、中をのぞいてみました。
「親方、なにかあったかね。」と、おんどりはたずねました。
「どうして、あったかどころのさわぎじゃないぞ。」と、ろばはこたえました。「ちゃんとテーブルごしらえがしてあって、けっこうなごちそうと、のみものが、山とならんでいるよ。どろぼうども、てんでに、はちきれそうな顔で、よろしくやってるところさ。」
「そいつをものにしようじゃないか。」と、おんどりはいいました。
「うん、うん、どうしたってわりこまなきゃあな。」と、ろばはいいました。
  そこで、まず、どろぼうどもを追っぱらうには、どうすればいいかと、四人組の動物は、相談(そうだん)をはじめましたが、やがていいくふうがみつかりました。
  ろばは、前足を窓にのせることになりました。犬は、ろばのせなかにとびあがることにしました。ねこは犬のせなかによじのぼることにしました。おしまいに、おんどりが、ばさばさととびあがって、ねこの頭の上にのっかりました。いよいよしたくができあがると、一、二、三のあいずで、四にん組はいっせいに、音楽をやりだしました。ろばはひひんとわめきました。犬はわんわんほえたてました。ねこはにゃおんとなきました。おんどりはこけこっこうと、ときをつくりました。とたんに、まどをつきやぶって、一同(いちどう)へやの中へとびこみました、がらん、がらん、がらん、音をたててガラスはこわれました。
  どろぼうどもは、びっくりぎょうてん、きゃあとさけび声をあげてとびあがりました。たいへんな怪物(かいぶつ)がとびこんで来た、そうとよりしか考えません。もうすっかりおびえきって、てんでに、あたまをかかえて、そとの森の中へ、にげだして行きました。
  そこで、四人組は、ゆうゆうテーブルにつきました。ごちそうは、のこりものでも、がまんすることにして、それでも、これからあと四週間ぐらい断食(だんじき)してもいいといういきおいで、つめこめるだけ、たらふくつめこみました。